山幸彦海中に入りて、釣針を得る

山幸彦海中に入りて、釣針を得る

(やまさちひこかいちゅうにはいりて、つりばりをえる)

<<2014年6月の作品>>

日本神話の一つ「海幸山幸」の物語です。山で狩猟が得意な山幸彦(弟)と海で漁が得意な海幸彦(兄)の兄弟がいました。兄弟はある日お互いに自分が使っていた道具を交換することになりました。山幸彦は魚釣りに出掛け、兄に借りた釣針を失くしてしまいます。海幸彦は山幸彦をひどく非難しました。山幸彦が困り果てていた所、塩椎神(しおつちのかみ)が現れ、小舟に乗り「綿津見神宮(わたつみのかみのみや)」にいざなわれました。そこでは海神に歓迎され、娘の豊玉姫と結婚し、また、鯛から失くした釣針を無事取り戻すことができました。3年経ち、地上へ帰る時、豊玉姫から「潮満珠(しおみつたま)」と「潮乾珠(しおふるたま)」を貰い、今度は海幸彦を懲らしめたというお話です。

ワラッセ→新青森駅に飾られました。
 
一寸法師

一寸法師

(いっすんぼうし)

<<2013年6月の作品>>

日本伽話の一つ。昔々、子供のいない老夫婦がおりました。老夫婦は子供が授かるよう住吉の神に祈ると、老婆に子供ができました。しかし、産まれた子供は身長が一寸しかなく、何年たっても大きくなることなく、子供はその身長から一寸法師と名づけられました。ある日、一寸法師は武士になるために京へ行きたいと言って、御椀を船に、箸を櫂にし、針を刀の代わりに、麦藁を鞘の代りに持って旅に出ました。京では、大きな立派な家で働かせてもらうことにしました。その家の娘と宮参りの道中、鬼が娘をさらいに来ました。一寸法師が娘を守ろうとすると、鬼は一寸法師を飲み込んでしまいました。一寸法師は鬼の腹の中を針で刺すと、鬼は痛いから止めてくれと降参し、一寸法師を吐き出すと山へ逃げてしまいました。一寸法師は、鬼が落としていった打出の小槌を振って自分の体を大きくし、身長は六尺にもなり、娘と結婚しました。ご飯と、金銀財宝も打ち出して、末代まで栄えたというお話です。

ワラッセ→大宮駅に飾られました。
 
地震鯰

地震鯰

(じしんなまず)

<<2012年6月の作品>>

日本では、地震の予兆としてナマズが暴れるという俗説が古くから伝えられています。微振動や電流などに反応しているという説もありますが、科学的には今もなお実証されていません。また、地面の下には巨大なナマズ(大鯰)が生存し、これが暴れることによって大地震が発生するという迷信も古くからあります。
安政2年(1855)の安政江戸地震の直後には、鹿島大明神が「要石」で大ナマズを押さえている鯰絵が広く出まわりました。鹿島(茨城県鹿嶋市にある鹿島神宮)の神が、大地に要石を打ちつけて、大鯰を押さえこむ姿で描かれており、鹿島の神が気をゆるませたりすると、大地震になるという言い伝えが、鹿島の要石と鯰の関係で表現されています。
先の東日本大震災のような大地震がこの先、発生することのないことを祈念しつつ、一日も早い復興を願い、ねぶたとして表現しました。

ワラッセ→新青森駅に飾られました。
 
張順

水滸伝 張順

(すいこでん ちょうじゅん)

<<2010年6月の作品>>

「水滸伝」百八人のうちの一人。浪裡白跳 張順(ろうりはくちょう ちょうじゅん)という。あだ名が浪狸白跳、名前が張順。水に浮かぶこと四十五里にして疲(つか)れず 水底に沈むこと七日七夜にしてさらに労せず、杭州城(こうしゅうじょう)の北新橋西湖(ほくしんきょうさいこ)の水門をくぐり、敵城へ忍び 湧金門(ようきんもん)の水門を破る。最期は、待ち受けた敵の矢の雨、岩落とし、投石を受けて悲壮な最後を遂げる。ねぶたは「水滸伝」第百十四回、張順水門(湧金門)破りの場面である。

青森空港に飾られました。
 
許可なく掲載画像の無断複写・転載を禁じます。