(たっぴのくろかみ おがのあかがみ)
(えびす だいこくさま)
(かえんのえみし あてるいとおにけんばい)
(じょうもん)
(いっすんぼうし)
(せいてんたいせいそんごくう)
(おしゃかさま)
(あまのいわと)
(かてん すいてん)
(いだてん)
竜飛の黒神 男鹿の赤神
(たっぴのくろかみ おがのあかがみ)
<<2019年1月の作品>>「日本通運ねぶた実行委員会」にて出陣
昔々、青森県の竜飛というところに黒神という神様が住んでいました。また、秋田県の男鹿半島というところに赤神という神様も住んでいました。 黒神は筋骨隆々としてその風貌も荒々しかったが、一方、赤神は笛の名手であり、性格も心優しかった。二人の神様は十和田湖というところのほとりに住むとても美しい女神を自分の妻にしようと争います。 黒神は竜を飛ばし赤神に襲いかかります。赤神は、数知れぬ鹿を繰り出し野山を埋めて黒神を迎えます。竜は口から火を吹いて鹿を追い払い、鹿は鋭い角で竜に立ち向かいます。どちらの神も決してあきらめず、なかなか決着がつきません。その時、この戦いをひと目見ようと各地から八百万(やおろず)の神々が、津軽の岩木山に集まりました。 頂上を挟んで黒神派は右側、赤神派は左側へと陣取ったとき、黒神を支持する方が多かったために、その重みで岩木山の右肩が低くなったと言われています。 やがて、黒神が勝利し、赤神は傷つき、その血で大地を染めて紅葉に変えながら、男鹿へ逃げ帰って行きました。ところが女神は負けた赤神に同情し、赤神を追って行ってしまいました。戦いには勝ったものの女神を失った黒神は、悲しみのあまりため息をつきました。その大きなため息によって地が裂け、津軽海峡ができたと言われています。